第13-1回 乱流(RANS, LES,DNS)[julia]
* コードは第13-5回にあります。
第13回では、乱流(LES)の解析について行っていきます。
さて、今回は乱流の数値解析手法を簡単に紹介します。
乱流の数値解析としては、RANS, LES, DNSの三つが主な方法となります。
・RANS
RANSとは、レイノルズ平均ナビエストークス方程式(Reynolds-Averaged Navier-Stokes equation)の略であり、時間平均した流れ場の方程式になります。
つまり、乱流の非定常的な挙動には着目せずに、平均的な挙動に焦点を当てる手法になります。
流れが速く乱流の影響は考えられるが、細かい渦の影響は小さいと考える場合に使用します。
平均化されているため、計算コストが小さいというメリットがあります。
・LES
LESとは、Large-Eddy Simulationの略であり、格子サイズより小さい渦をモデル化する方程式になります。
この手法では、乱流の非定常的な挙動をとらえるため、RANSに比べて計算コストが増加します。
ですが、ここ10年程度でコンピューターのスペックが上がってきたこともあり、この手法も工学的に使用されています。
・DNS
DNSは、直接数値シミュレーション(Direct Numerical Simulatio)の略であり、モデル化することなく乱流を解きます。
モデル化しなくても十分な格子が必要なことから、前述の方法と比較して計算コストが莫大に増加します。
そのため、工学的には使用されておらず、主に乱流の研究等に使用されています。
コンピューターの性能がさらに発展することで、身近な手法となってくるかもしれません。
乱流の解析手法は以上の3つになります。
それぞれの手法に対して、モデル化の方法が多数あるだけでなく、2つの手法を組み合わせたりと乱流の評価方法は多岐にわたります。
第13回では、2つ目に紹介したLESについて掘り下げていきます。
次回はこちらです。
よろしくお願いします。
by hide
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