月別: 2020年12月
第11回のまとめとして、圧縮性Navier–Stokes方程式(陰解法、LU-SGS, Local time stepping)を解きたいと思います。 今回は少し複雑な格子に対する解析ということで、特にバリデーションを行いませんので、ご了承ください。 陽解法でのバリデーションは以前の第10回で行っていますので、興味があれば見てみてください。 ・解析条件 今回は、NACA64A010, NACA4412, はやぶさカプセルの解析を行います。すべてO型格子で解析を行いました。 これらのO型格子の格子生成方法、境界条件については、下記を参照してください。 流入条件は下記の通りです。バリエーションではないので、とりあえず第10回と同じものとしました。 \begin{.....
第11-2回では、Local Time Stepping 法について説明します。 そもそも内部反復って何?という方は以前の記事を見てください。 一般座標系にかかわらず、内部反復の方法は変わりません。 ここで、説明するlocal time steppingは疑似時間刻み幅\(\Delta \tau\)を決める方法になります。 実際の計算では、内部反復を進めていった結果収束するならば疑似時間刻み幅は何でも問題ありません。 つまり、収束しやすい値の方がお得なわけです。 加えて、セルの大きさが大きければ、疑似時間刻み幅も大きい方が収束性があがります。 そのため、それぞれのセルに適した疑似時間刻み幅を設定する必要があります。 では、セル事に適切な値を設定する方法を紹介.....
第10回では、一般座標系におけるNS方程式を陽解法で解きました。 当然ですが、時間刻み幅をとても小さくとらなければ計算できません。 そこで陰解法を用いて時間刻み幅を大きくとって計算を早くできるようにしたいと思います。 また、せっかく一般座標系のコードを書いたので、今回のゴールは下記のように変わった形の二次元解析を行いたいと思います。 陰解法としてLU-SGSという手法を用います。以前に少し説明したので、こちらを確認してから進んでください。 こちらでは、FVSの概念を取り入れた近似をしていました。移流項は同様の方法で近似を行います。 そのため、第11-1回では粘性項の近似について述べます。 さて、一次元のデカルト座標系を例に進めます。第9回等で行ってきた通り、.....
現在はフリーの格子生成ソフトがあふれており、パソコンの性能も上がっているため、数値解析を行う人にとっては、とても便利な世の中だと思います。 ただ、境界適合格子生成について良いものが見当たらなかったため、自作しました。 ので、生成方法やO型格子の境界条件について簡単に説明したいと思います。 コードは下記にアップしています。 https://github.com/hide-dog/code-of-generating-Boundary-Fitted-Coordinate 最終的には、NACA4412の格子やはやぶさカプセルに対する格子を作ります。 1 幾何的生成方法 今回採用した幾何的格子生成方法[1,2]は、コードが簡単に書けるため採用しました。 まず簡単のた.....
$$\frac{\partial Q}{\partial t} + \frac{\partial (E-E_v)}{\partial x}+\frac{\partial (F-F_v)}{\partial y}=0$$ \begin{eqnarray}Q &=& \left[ \begin{array}{c} \rho \\ \rho u \\ \rho v \\ e \end{array}\right] \\E &=& \left[ \begin{array}{c} \rho u \\ \rho uu+p \\ \rho uv \\ (e+p)u \end{array}\right], E_v = \left[ \begin.....