工学系大学院生のブログ

2人の大学院生による雑記ブログ

月別: 2019年2月

第2-2回 ガウスの消去法[python]

$$\bf Ax=b$$ 今回は上記のような行列を含む方程式を解く代表的な方法であるガウスの消去法について行います.A,bがわかっており、xを求めます。 まずは具体的な3×3の行列で考えます. $$ \left[\begin{array}{ccc}a_{00}&a_{01}&a_{02} \\ a_{10}&a_{11}&a_{12} \\ a_{20}&a_{21}&a_{22} \end{array}\right] \bf x = \left[\begin{array}{c}b_{0} \\ b_{1} \\ b_{2} \end{array}\right] $$ 一行目の式を①,二行目を②,三行目を③とし.....

第2-1回 定常拡散方程式(離散化)[python]

第1回では非定常拡散方程式を行いましたが、第2回は時間に依存しない定常拡散方程式について行います。 第2回の目標は数値解析で今後大事になってくる逆行列の処理の仕方について重点的に行っていきます。 まず非定常拡散方程式は次のように書けます。 $$\frac{\partial u(t,x)}{\partial t}=D\frac{\partial^2 u}{\partial x^2}$$ 定常より、\( \frac{\partial u(t,x)}{\partial t} =0\)であるのでこの定常拡散方程式は下記のように書けます。 $$\frac{\partial ^2 u(x)}{\partial x^2}=0$$ この式は二階微分方程式ですので、A,Bを定.....

第1-4回 非定常拡散方程式(ノイマン条件)[python]

今回は境界条件が少し違う場合を行います。今回の条件は下記になります。 $$\left(\frac{\partial u}{\partial x}\right)_{wall} = \alpha$$ つまり境界における勾配を\(\alpha\)にするというわけです。この勾配\(\alpha\) を用いると、次のような問題を解くことに相当します。 “長さ1.0 mの物体があり、その中心部で100 Kとなる分布を持っています。両端で断熱壁とします。その時の温度分布は時間とともにどのようになっていくでしょうか。” 断熱壁とは温度の出入りがない壁のことです。つまり断熱壁では温度勾配が常に生まれません。そのため、境界条件は次の通りになります。 $$.....

第1-A回 pythonにおける対角行列の作り方

数値解析において用いる行列は対角行列に近いです。対角成分とその前後の対角部分でできています。 今回の目標は非定常拡散方程式における境界条件も加味した下記の様なn行×n列の行列を作ることとします。 $$ \left[\begin{array}{cccccc}1&0& & &&\\ c&1-2c&c && &\\ & \ddots &\ddots &\ddots &&\\ && \ddots &\ddots& \ddots &\\ && &c&1-2c&c \\ &.....